やってみたいことを気軽に試したり、実現できる場所は世の中にそれほど多くありません。では、“未来を表現するための実験室(ラボ)”を、チトセにつくってみたらどうか――。私たちは、そんなシンプルな考えから「#MiLABO」の運営を始めることにしました。
#MiLABOを運営するフジ商産株式会社は、千歳市を中心に不動産事業を営んできました。テナントやオフィスなど事業用不動産を専門に扱う事業者です。仕事の特性上、何かを始めたい、もしくは夢を叶えるため準備をされている方々と出会う機会が多く、前向きなビジネスパートナーである皆様との新たな出会いが、私たちの仕事の活力になってきました。
不動産事業という視点からチトセの変化に接してきた私たちですが、ここ数年感じていることがあります。それは、起業に挑戦したいという方々の数が、街の中で少しずつ増えているということです。
私たちの仕事は、借り手と貸し手の間にトラブルがないよう物件をご紹介したり、契約を仲介させていただくことです。ただそれだけでは、起業を目指す方々のビジネスを継続的に発展させることや、最終的なゴール達成をサポートするには不十分です。
そこで令和を機に起業サポート事業やコワーキング・シェアオフィス事業を本格的にてがけるようになりました。お客様の起業をお手伝いさせていただく日々のなかで、チトセの街で起業に挑戦したいと考えている方が増えているという感覚は、確信に変わりつつあります。そしてコロナ禍を経ることで、この流れはますます加速していくのではないかとも。
コロナ禍は、「生きるということはどういうことか」「働くとはどういうことか」「人生において大事なことは何か」という問いを多くの人に投げかけました。世界の人々が、同時に劇的な価値観の変化に見舞われることになった前代未聞の大きな出来事です。
コロナ禍は一方で、インターネットなど「デジタルを使ってできること」にさらなる注目を向けさせるきっかけになりました。今後、デジタル技術の発展はさらにスピードを上げていくはずであり、“あらゆる職種のスモールな起業”をどんどん増やす源泉となるはずです。スマートフォン1台あれば、どこでも「やりたいこと」が叶う――。コロナ禍はそんな時代を手繰り寄せています。
時代のめまぐるしい変化が予想されるなか、私たちはお客様が描く未来を表現できる場を提供したいと考えるようになりました。やりたいこと、やってみたいことがすぐに実験できる研究室、もしくは好奇心と情熱を形にできる“チトセのガレージ”のような場所です。その思いが結実したのが#MiLABOです
千歳市には起業やアイデアを実現していくためのメリットがいくつもあります。
ひとつは街のサイズ。千歳市の人口は若者世帯を中心に微増傾向で、その数9万7000人ほどです。大きすぎず、小さすぎないこの街では、変わったアイデアや尖った発想が目立ちやすい。つまり、“埋もれにくい”という特徴があります。役所や商工会議所など行政との繋がりも築きやすく、周囲の人々に認知されるチャンスが他の街より多いのです。
また千歳市には“アクセス”という魅力的な競争力があります。新千歳空港は東京など日本国内のみならず、アジアの主要都市とも繋がっています。逆に他のエリアにとっては、国土の5分の1を占める北海道との希少価値の高い接点です。「実はグローカル(グローバル×ローカル)なスモールビジネスを育てることができる、世界でも指折りの場所なのではないか」というのが#MiLABOチームの考えです。
ヒト・モノの往来が盛んなこの街には、アイデアやモチベーションの種を大きく育てることができるポテンシャルがいくつも潜んでいます。#MiLABOではそのポテンシャルをひとつずつ発掘しながら、チトセの街の人々だけでなく、東京やアジアの人々が北海道進出の拠点としてチトセにやってくるというような未来も想像・創造していきたいと考えています。
きっと、私たち運営チームのみならず、街の商店街も新しい風を吹き込んでくれる方々の登場を心待ちにしているはずです。チトセの街はポテンシャルを秘めている一方で、事業継承など他の地域と同じ悩みも抱えているからです。新しいことやってみたいという気持ちが繋がれば街全体がより元気になっていくはずです。
#MiLABOの使い方は“自由”です。仕事、趣味、遊びなどなど利用目的も問いません。“一大決心”も必要ありません。やりたいことを、とにかくやってみる。そんな実験的な試みをしたい方に気軽に利用していただきたいです。
なお私たち#MiLABOチームも、実験的な試みをスタートさせてみました。レンタルキッチンとレンタルスペースを連動させた自然派ワインショップです。どういう風に使うのか気になる方々も、ぜひ遊びに来て体験してみてください。
#MiLABOは、実験的・未来的なスモールスタートをサポートしていきます。
#MiLABO運営チーム
藤本聖美.